2022年07月26日
タチオランダゲンゲ
タチオランダゲンゲ(立和蘭蓮華)Trifolium hybridum L.
マメ科シャジクソウ属
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
シロツメクサとムラサキツメクサを足して2で割ったような、タチオランダゲンゲ。ピンクから白へのグラデーションがとても美しい品種です。
植物分類学の父、カール・フォン・リンネ先生はこれをシロツメクサとアカツメクサの交配種だと思って、学名にhybridum(ハイブリッド)と名付けたくらいです。
ちなみに英語名「alsike clover」のalsikeはリンネ先生がこの花を最初に記録したスウェーデンの地名だそうです。
牧草や土壌改良のために多くの国で意図的に導入されており、日本でも明治時代に輸入されました。草地や道端、法面などで見かけます。
では、「シロツメクサ」「ムラサキツメクサ」「タチオランダゲンゲ」をどうやって見分けたらよいか???整理してみましょう。
●シロツメクサ(別名:クローバー)
基本的に花茎に葉がつくことはありません。
地面にマット状に広がる三つ葉の葉っぱの中から、花茎を伸ばして花をつけます。
なので、花と一緒に立ち上がった茎に葉っぱがついていたらムラサキツメクサかタチオランダゲンゲということ。
次にその二つの判別点は。
●ムラサキツメクサ(=アカツメクサ 別名:レッドクローバー)
花序の真下に葉がある。全体的に毛が多く、花が終わっても下を向かない。
●タチオランダゲンゲ(別名:アルサイククローバー)
花序の真下に葉がない。全草無毛。個々の花は有柄で、花が終わるとシロツメクサのように下を向く。
というわけで、毛の有無と花の真下の葉の有無が決め手になります。
最近ではピンク色をした「モモイロシロツメクサ」も登場して、ツメクサ界はのグローバル化は華やかさを増しています。
参考までに、モモイロシロツメクサはグラデーションにはならず、全体的にピンク色です。シロツメクサ同様、地面にマット状に広がり、立ち上がった花茎に葉はなく、葉や花のサイズもほぼ変わりません。
(北海道伊達市有珠山SA2022.6.)
(北海道伊達市有珠山SA2022.6.)
ぜひ上記のポイントを押さえて、脳トレ気分でツメクサ探しをしてみてはいかがでしょうか。
タチオランダゲンゲの花の様子。
蝶型の花はシロツメクサに似ていますが、ピンク~白のきれいなグラデーションになっています。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
ピンク色が濃いものから白っぽいものまで。サイズや草丈はシロツメクサよりやや大型です。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
葉の様子。
普通のクローバーのように丸っこいものも、ムラサキツメクサのように大きめの物もあり、葉の形状だけで区別するのは難しそうです。不ぞろいの鋸歯、毛の有無、斑紋が識別ポイントになりそうです。
これはムラサキツメクサに似た葉。斑紋はありません。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
こちらはシロツメクサに似た葉。やはり斑紋はありません。
(北海道江別市野幌森林公園2021.7.)
左がムラサキツメクサ、右がタチオランダゲンゲ
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
茎は無毛。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
ムラサキツメクサはかなり毛だらけです。
(北海道石狩市石狩港2021.6.)
株は立ち上がる傾向にあります。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
左からムラサキツメクサ、タチオランダゲンゲ、シロツメクサ、コメツブウマゴヤシ。シロツメクサの茎に葉はありません。
花のサイズ感の差は、ムラサキツメクサ>タチオランダゲンゲ>シロツメクサ>コメツブウマゴヤシ
左がムラサキツメクサ、右がタチオランダゲンゲ。タチオランダゲンゲは花のすぐ下に葉はありません。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
左がムラサキツメクサ、右がタチオランダゲンゲ。ムラサキツメクサは花後も形が変わりませんが、タチオランダゲンゲの花後は下向きに下がります。
左がタチオランダゲンゲ、右がシロツメクサ。どちらも花が終わると下に下がります。
<特徴>
・ 欧州~西アジア原産
・ 多年性草本
・ 花期は6~8月
・ 高さ30~50㎝。花は総状花序で、花序は球形で径は約1.5~3cm。小花は上~横向きに付き、受粉後下を向く。花弁は白~ピンク色で花序全体でグラデーションになる。萼裂片は針形から狭卵形で、萼筒とほぼ同長か長い。
・ 葉は互生で3出複葉。小葉は倒卵形~楕円形で長さ1~4cm、幅1.5~2cm。小葉柄はなく、縁に細かい鋸歯がある。斑紋はない。
・ 茎は太くて緑色~赤色。無毛だが、若いときは軟毛がある。下部は地面を這って上部は湾曲して立ち上がる。直立~斜上する。よく分枝して放射状に伸びて、いびつな円状になっている。茎の節から発根することはない。
・ 根生葉は長さ3~7㎝のへら型でロゼット状に5~9枚広がり、花期が終わっても残存する。
・ 豆果
マメ科シャジクソウ属
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
シロツメクサとムラサキツメクサを足して2で割ったような、タチオランダゲンゲ。ピンクから白へのグラデーションがとても美しい品種です。
植物分類学の父、カール・フォン・リンネ先生はこれをシロツメクサとアカツメクサの交配種だと思って、学名にhybridum(ハイブリッド)と名付けたくらいです。
ちなみに英語名「alsike clover」のalsikeはリンネ先生がこの花を最初に記録したスウェーデンの地名だそうです。
牧草や土壌改良のために多くの国で意図的に導入されており、日本でも明治時代に輸入されました。草地や道端、法面などで見かけます。
では、「シロツメクサ」「ムラサキツメクサ」「タチオランダゲンゲ」をどうやって見分けたらよいか???整理してみましょう。
●シロツメクサ(別名:クローバー)
基本的に花茎に葉がつくことはありません。
地面にマット状に広がる三つ葉の葉っぱの中から、花茎を伸ばして花をつけます。
なので、花と一緒に立ち上がった茎に葉っぱがついていたらムラサキツメクサかタチオランダゲンゲということ。
次にその二つの判別点は。
●ムラサキツメクサ(=アカツメクサ 別名:レッドクローバー)
花序の真下に葉がある。全体的に毛が多く、花が終わっても下を向かない。
●タチオランダゲンゲ(別名:アルサイククローバー)
花序の真下に葉がない。全草無毛。個々の花は有柄で、花が終わるとシロツメクサのように下を向く。
というわけで、毛の有無と花の真下の葉の有無が決め手になります。
最近ではピンク色をした「モモイロシロツメクサ」も登場して、ツメクサ界はのグローバル化は華やかさを増しています。
参考までに、モモイロシロツメクサはグラデーションにはならず、全体的にピンク色です。シロツメクサ同様、地面にマット状に広がり、立ち上がった花茎に葉はなく、葉や花のサイズもほぼ変わりません。
(北海道伊達市有珠山SA2022.6.)
(北海道伊達市有珠山SA2022.6.)
ぜひ上記のポイントを押さえて、脳トレ気分でツメクサ探しをしてみてはいかがでしょうか。
タチオランダゲンゲの花の様子。
蝶型の花はシロツメクサに似ていますが、ピンク~白のきれいなグラデーションになっています。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
ピンク色が濃いものから白っぽいものまで。サイズや草丈はシロツメクサよりやや大型です。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
葉の様子。
普通のクローバーのように丸っこいものも、ムラサキツメクサのように大きめの物もあり、葉の形状だけで区別するのは難しそうです。不ぞろいの鋸歯、毛の有無、斑紋が識別ポイントになりそうです。
これはムラサキツメクサに似た葉。斑紋はありません。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
こちらはシロツメクサに似た葉。やはり斑紋はありません。
(北海道江別市野幌森林公園2021.7.)
左がムラサキツメクサ、右がタチオランダゲンゲ
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
茎は無毛。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
ムラサキツメクサはかなり毛だらけです。
(北海道石狩市石狩港2021.6.)
株は立ち上がる傾向にあります。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
左からムラサキツメクサ、タチオランダゲンゲ、シロツメクサ、コメツブウマゴヤシ。シロツメクサの茎に葉はありません。
花のサイズ感の差は、ムラサキツメクサ>タチオランダゲンゲ>シロツメクサ>コメツブウマゴヤシ
左がムラサキツメクサ、右がタチオランダゲンゲ。タチオランダゲンゲは花のすぐ下に葉はありません。
(北海道石狩市石狩港2022.6.)
左がムラサキツメクサ、右がタチオランダゲンゲ。ムラサキツメクサは花後も形が変わりませんが、タチオランダゲンゲの花後は下向きに下がります。
左がタチオランダゲンゲ、右がシロツメクサ。どちらも花が終わると下に下がります。
<特徴>
・ 欧州~西アジア原産
・ 多年性草本
・ 花期は6~8月
・ 高さ30~50㎝。花は総状花序で、花序は球形で径は約1.5~3cm。小花は上~横向きに付き、受粉後下を向く。花弁は白~ピンク色で花序全体でグラデーションになる。萼裂片は針形から狭卵形で、萼筒とほぼ同長か長い。
・ 葉は互生で3出複葉。小葉は倒卵形~楕円形で長さ1~4cm、幅1.5~2cm。小葉柄はなく、縁に細かい鋸歯がある。斑紋はない。
・ 茎は太くて緑色~赤色。無毛だが、若いときは軟毛がある。下部は地面を這って上部は湾曲して立ち上がる。直立~斜上する。よく分枝して放射状に伸びて、いびつな円状になっている。茎の節から発根することはない。
・ 根生葉は長さ3~7㎝のへら型でロゼット状に5~9枚広がり、花期が終わっても残存する。
・ 豆果